通信方法の特徴について
TCP/IP 接続の特徴
- 通信速度が速い
- IBM i 側で事前にサーバープログラムの起動が必要
通信がうまくいかないときは?
原因がIBM i 側なのか、それともPCクライアント側にあるのかを、まず調べる必要があります。
他のPCで接続できるのに特定のPCだけが接続できない場合はPCクライアント側に問題があります。
すべてのPCでの接続ができない場合は IBM i サーバー・サイドに問題があると考えてよいでしょう。
TCP/IP での接続ができない場合
IBM i 側での問題
障害報告を調べる
エラー報告は 操作員メッセージ(QSYSOPR) 、QEZJOBLOG, QPRINT などに報告されます。
DSPMSG QSYSOPR
WRKOUTQ QEZJOBLOG
WRKOUTQ QPTINT
などによってエラーが報告されていないかを調べてください。
TCP/IP が開始されていない
コマンド NETSTAT
+ (実行キー) で
「1.TCP/IPインターフェースの処理」を選択してLAN回線(イーサネット)が活動中になっているか?
活動中になっていない場合は TCP/IPが開始されていません。
コマンド STRTCP
+ (実行キー) によってTCP/IPを開始してください。
Spool ライター のサーバー・デーモンが開始されていない
コマンド WRKACTJOB
+ (実行キー) でJOB: SPOOLW_EGN が 状況 TIMW で待機しているか?
待機していない場合は コマンド SPOOLWTR/STRSPLSVR
によって
Spool ライターのサーバーを開始させてください。
子プロセス生成での失敗
コマンド DSPMSG QSYSOPR
+ (実行キー) で
「ADDJOBSCDEでエラーが発生した」というメッセージが報告されている場合は、
PCクライアントと対話するための子プロセスの生成に失敗しています。
これらの原因のいくつかは
- TCP/IP通信構成で特殊文字がある。
- TCP/IP通信構成でOKボタンを押していない。
- STRSPLSVR 投入JOBで ADDJOBSCDE コマンドの使用が許可されていない。
クライアント数のオーバー
コマンド DSPMSG QSYSOPR
+ (実行キー) で
「クライアント数のオーバーです。」とメッセージされている場合は、
契約クライアント数をオーバーしています。
あるいは以前に行った子プロセスのJOBが残ったままになっていて、
それがクライアント数を消費しているために、クライアント数のオーバーに なっています。
その場合は WRKACTOB で、前の子プロセスを 即時終了 させてください。
PCクライアントで通信中に強制終了があると
IBM i 側の子プロセスJOBは 残ったままになってしまいます。
初期セットアップが行われていない
ブラウザからOn the web機能を使用する前に、
初期セットアップを行っておく必要があります。
導入後のセットアップを参照して、初期セットアップを行ってください。
PCクライアント側の問題
PING が通らない
TCP/IP の通信が論理的に可能かは PING コマンドによる検査を行います。
PCのコマンド・プロンプト画面で
PING + [IBM i のIPアドレス]
を実行してみてください。
例えば PING 192.168.1.1 + [改行] として実行します。
次のように成功すれば、TCP/IP での通信は 可能 であるといえます。
PING が通らない場合
[マイネットワーク]の[プロパティ]によって、このPCのTCP/IPのプロパティを調べて他のPCと重複していないか、
正しく設定されているかどうかを、再検査する必要があります。
ルーター経由でないか?
特殊なルーター経由や無線LAN、あるいは古くなったHUBはTCP/IP通信の障害となる場合があります。
頻繁に接続中に中断が発生する場合はこれらのハード・ウェアを 疑ってみてください。
ルーターによってはTCP/IPのストリームを脱落させてしまうバグを 含んだものもありますし、
旧形式のHUB はTCP/IPストリームの脱落を頻繁に発生させる要因となります。
また無線LAN は FTPのストリームを変更させたり、
機密保護の観点からも 企業内使用はお勧めできません。
無線LANのストリームは容易に外部からキャプチャーされてしまいます。
TCP/IP 内の ASCII コードは、何もコード化や圧縮はされていませんので、
パスワードや機密性の高いデータも丸見えになってしまいます。