チュートリアル
■既存のTELNET装置を PDT印刷装置に移行する
PDT(プリンター定義テーブル)を使って印刷していたTELNET印刷装置を
WINDOWSライターのPDT印刷装置への移行を体験します。
(1) Windows へのログイン情報とプリンタ名を調べる
プリンタ・ドライバの入っているWindows PCへログインするための
・IPアドレス (Windows PCのIPアドレス)
・ユーザー名 (32桁以内の英数字、英小文字可)
・パスワード (32桁以内の英数字、英小文字可)
・ワーク・グループ ((32桁以内の英数字、英小文字可, ワークグループの管理がない場合はWORKGROUP とする
・プリンタ名 (32桁以内の英数字、英小文字可。Windowsのデバイスとプリンタによって正確な名前を調べてください。)
を調べておきます。
(2) 使用しているPDTを調べる
5250エミュレータでプリンタ・セッションが使用しているPDTを調べてください。
(3) IFSに登録済みのPDTかチェックす
基本的なPDTおよびPDFは WINDOWSライターの導入とともに導入されています。
WRKLNKコマンドで
/WINDOWS/PDT または /WINDOWS/PDF ファルダー内を調べてください。
既に存在している場合はアップロードの必要はありません。
(4) PDTを調べてIFSへアップロードする。
/WINDOWS配下にPDTまたはPDFが存在していなければ
必要なPDT(*.PDT)またはPDF(*.PDF)を/WINDOWS配下にアップロードしてください。
PDTは /WINDOWS/PDT配下に PDFは /WINDOWS/PDF の配下にアップロードしてください。
5250エミュレータのPDTは下記の場所にあります。
▼ Personal Communications の場合
C:\Program Files\IBM\Personal Communications\pdfpdt
▼ IBM Access Client Solutions(=ACS)の場合
C:\Users\quattro\Documents\IBM\iAccessClient\Emulator\pdfpdt\usrpdf
(5) 新しいPDT印刷装置を作成する
(1)~(4)で印刷装置を作成するための準備はできました。
[ステップ A] WINDOWSライターの構成(WRKWINWTR=Work Windows Writer)を起動する。
GO WINDOWSメニューのオプション21を選択するかまたは
コマンド入力画面で WINDOWS/WRKWINWTR + [実行] によって
WINDOWSライターの構成(
WRKWINWTR)を起動します。
[ステップ B] 既存のTELNET装置を使用不可にしておく
WRKWINWTRの画面で「F15=構成状況処理(WRKCFGSTS)」を押すと
印刷装置の現在の状況が次のように表示されます。
印刷装置の処理
システム :
下のオプションを入力して,実行キーを押してください。
1= 使用可能にする 2= 使用不能にする 5= 明細の表示 7=メッセーシ
8= 制御装置および回線の処理 9= 名前変更 13= 記述の変更
OPT 装置 タイプ 状況
__ ACSPRT 5553 電源オフまたは使用可能になっていない。
__ A4_TATE 5553 使用できない(オプション1を使用)
__ A4_YOKO 5553 電源オフまたは使用可能になっていない。
__ CANON 5553 電源オフまたは使用可能になっていない。
__ CANONPDT 5553 電源オフまたは使用可能になっていない。
__ CANON2 5553 電源オフまたは使用可能になっていない。
__ IPPDEV 3812 活動状態
__ LIPSA4YOKO 5553 電源オフまたは使用可能になっていない。
__ LIPS3A4 5553 電源オフまたは使用可能になっていない。
F1= ヘルプ F3= 終了 F5= 最新表示 F9= コマンド入力行 F11= 記述の表示
F12= 取消し F17= 最上部 F18= 最下部 F21= 援助レベルの選択
PDT印刷装置の元になる印刷装置(*DEVD)を「2=使用不可にする」で
一時的に使用不可にしておいてください。
PDT印刷装置の作成では既存のTELNET印刷装置にユーザー定義情報などを
与えますので活動中のままでは変更することができません。
従って一時的に使用不可(*VARYOFF)にしておく必要があります。
[ステップ C] オプション「1=追加」を選択する。
OPT=1, 印刷装置に WIN01 (=プリンター・セッションの名前を仮にWIN01と
しておきます)、通信の欄には *PDTと入力します。
OPT 印刷装置 通信
----- ----------------- --------
1 WIN01 *PDT
として実行キーを押すと次のように「PDT印刷装置の構成(CRTDEVPDT)」コマンドが
起動されます。
PDT 印刷装置の作成 (CRTDEVPDT)
選択項目を入力して,実行キーを押してください。
装置名 . . . . . . . . . . . . > WIN01 文字値
組織 :
本社工場営業所 . . . . . . . *NONE 文字値
部門コード . . . . . . . . . 文字値
プリンタ定義テーブル . . . . . *NONE
通信 . . . . . . . . . . . . . > *SMB *SMB, *LPR
クライアントPC :
IP アドレス . . . . . . . . .
ユーザー . . . . . . . . . .
パスワード . . . . . . . . .
ワークグループ . . . . . . . WORKGROUP
プリンタ名 . . . . . . . . .
用紙サイズ :
用紙サイズ . . . . . . . . . *SPLF *SPLF, *CUSTOM, *A3, *A4...
用紙方向 . . . . . . . . . . *LANDSCAPE, *PORTRAIT
F3= 終了 F4=プロンプト F5= 最新表示 F10= 追加のパラメーター
F12= 取り消し F13= この画面の使用法 F24= キーの続き
プリンタ定義テーブル(PDT)パラメータにカーソルを合わせて
F4キーを押すと次のように /WINDOWS/PDT(赤字)内の内容が検索されて
表示されます。
/WINDOWS/PDT
パラメーターの値の指定 PDT
選択項目を入力して,実行キーを押してください。
タイプ . . . . . . . . . . . : パス名
プリンタ定義テーブル . . . . . *NONE
/WINDOWS/PDT/IBM5587.PDT /WINDOWS/PDT/QACXMFX83Y.PDT
/WINDOWS/PDT/IBM5577.PDT /WINDOWS/PDT/QACXJDWKTG.PDT
/WINDOWS/PDT/IBMPPDS.PDT /WINDOWS/PDT/QACX711W07.PDT
/WINDOWS/PDT/NPPAGES.PDT /WINDOWS/PDT/QACX5038BW.PDT
/WINDOWS/PDT/LIPS3B4.PDT /WINDOWS/PDT/QACXPASJBN.PDT
/WINDOWS/PDT/IBM5585.PDT /WINDOWS/PDT/QACX78GL20.PDT
/WINDOWS/PDT/HPPCL5.PDT
/WINDOWS/PDT/LIPS3A4.PDT
/WINDOWS/PDT/ESC_P.PDT
/WINDOWS/PDT/EPSON.PDT
/WINDOWS/PDT/BASIC_ASCII.PDT
/WINDOWS/PDT/QACXJT7ML9.PDT
/WINDOWS/PDT/QACXK5QR9D.PDT
F3= 終了 F5= 最新表示 F12= 取り消し F13= この画面の使用法
F24= キーの続き
この中からPDTテーブルを選ぶことができます。
ごこでは /WINDOWS/PDT(赤字)フォルダーの PDTファイルが表示されていますが
PDFファイルを検索することもできます。
ここでF5キー(赤字)を押してください。
表示はPDT 印刷装置の作成 (CRTDEVPDT)のコマンド表示の画面に戻りますが
もう一度、プリンタ定義テーブル(PDT)パラメータにカーソルを合わせて
キーを押すと今度は次のように /WINDOWS/PDF(赤字)の内容が表示されます。
パラメーターの値の指定 PDT
選択項目を入力して,実行キーを押してください。
タイプ . . . . . . . . . . . : パス名
プリンタ定義テーブル . . . . . *NONE
/WINDOWS/PDF/EPSON.PDF
/WINDOWS/PDF/ESC_P.PDF
/WINDOWS/PDF/HPPCL5.PDF
/WINDOWS/PDF/IBMPPDS.PDF
/WINDOWS/PDF/IBM5577.PDF
/WINDOWS/PDF/BASIC_ASCII.PDF
/WINDOWS/PDF/IBM5585.PDF
/WINDOWS/PDF/IBM5587.PDF
/WINDOWS/PDF/LIPS3A4.PDF
/WINDOWS/PDF/LIPS3B4.PDF
/WINDOWS/PDF/NPPAGES.PDF
/WINDOWS/PDF/PAGES.PDF
/WINDOWS/PDF/LIPSA4YOKO.PDF
F3= 終了 F5= 最新表示 F12= 取り消し F13= この画面の使用法
F24= キーの続き
WINDOWSライターでは PDT, PDFのどちらを指定しても構いません。
PDFとはPDTを作成する元になるソース・ファイルですので
IFSに配置しても中身を人間が読み取ることができます。
内容の理解しやすさと修正が容易であるという点で
PDFをお勧めします。
PDFを修正した場合WINDOWSライターではコンパイルは必要ありません。
修正したPDFをそのまま指定するだけでよいのです。
ただしPDFの修正は十分な知識を持って行ってください。
プリンタ・メーカーの技術者などと相談されることをお勧め致します。
使用するPDTが決まったら次のように入力します。
PDT 印刷装置の作成 (CRTDEVPDT)
選択項目を入力して,実行キーを押してください。
装置名 . . . . . . . . . . . . > WIN01 文字値
組織 :
本社工場営業所 . . . . . . . *NONE 文字値
部門コード . . . . . . . . . 文字値
プリンタ定義テーブル . . . . . /WINDOWS/PDT/IBM5577.PDT
通信 . . . . . . . . . . . . . > *SMB *SMB, *LPR
クライアントPC :
IP アドレス . . . . . . . . . 192.168.1.93
ユーザー . . . . . . . . . . quattro
パスワード . . . . . . . . . qtr1213
ワークグループ . . . . . . . WORKGROUP
プリンタ名 . . . . . . . . . LBP712Ci
用紙サイズ :
用紙サイズ . . . . . . . . . *A4 *SPLF, *CUSTOM, *A3, *A4...
用紙方向 . . . . . . . . . . *LANDSCAPE *LANDSCAPE, *PORTRAIT
フォント :
種類 . . . . . . . . . . . . *DEFAULT
サイズ . . . . . . . . . . . *FORM 4-36, *CPI, *FORM
ホスト・コード・ページ . . . . 930 *SPLF, 930, 939, 1399...
テキスト ' 記述 ' . . . . . . . *BLANK
既存装置の置換え . . . . . . . *YES *YES, *NO
F3= 終了 F4=プロンプト F5= 最新表示 F12= 取り消し
F13= この画面の使用法 F24= キーの続き
クライアントPCに関する記述は
IPアドレス ..................... 先に調べておいたプリンタ・ドライバのある
Windows PCのIPアドレスです。
ユーザー、パスワード .......... このWindows PCにログインするためのユーザーと
パスワードを指定します。(英小文字入力可)
ワークグループ ................ Windowsでワークグループ管理しているのであれば
ワークグループの名前を入力します。
管理していない場合は WORKGROUPと入力してください。
プリンタ名..................... Windowsに登録されているプリンタの名前を正確に
入力してください。
用紙サイズ..................... 用紙サイズはPDT内部で定義されている場合が
ありますが *SMB通信の場合は用紙サイズを指定すると
PDTの定義より優先します。
ここで用紙サイズを指定したときはフォント・サイズは
*FORM(赤字)と指定してください。
*FORM(赤字)はフォント・サイズを用紙の印刷領域いっぱいに
印刷するように最適化されて印刷されます。
(自動フォント・サイズ)
用紙方向 ....................... 用紙サイズを指定するときは必ず一緒に用紙の方向も
指定してください。
*LANDSCPE: 横方向に印刷します。
*PORTRAIT: 縦方向に印刷します。
フォント種類..................... フォントの種類を指定することができます。
*DEFAULT: リンタの省略値のフォントで印刷します
指定できるフォントの種類は
MSゴシック , MS明朝 , HGゴシック , HG明朝
フォント・サイズ ................ フォントのサイズを 4-36の範囲で指定します。
*CPI:印刷スフールの属性の「1 インチ当たりの文字数」で印刷します。
*FORM: 自動フォント・サイズとして用紙の印刷領域いっぱいに
広がるように自動的に最適化されて印刷します。
[自動フォント・サイズ]
WINDOWSライターは印刷前にスプールの印刷範囲をすべて
読んで調べて印刷が用紙サイズいっぱいに広がって
印刷するための最適なフォント・サイズを計算します。
印刷は余白ができるだけ少なくなるように
印刷されますので見やすはわかりやすい印刷となります。
ただし月次報告書のような定例的な印刷を出力する場合は
印刷量によって前月と今月の報告書ではフォント・サイズが
異なる場合があることをご承知ください。
ホスト・コード・ページ............. 印刷スプールのCCSIDを示しています。
PDT印刷の場合、SCS印刷ストリームは EBCDICからUnicodeへ
変換されますので元のスプールのCCSIDを指定する必要があります。
これは5250エミュレータのホスト・コード・ページと同じです。
テキスト ' 記述 ' ................. 日本語のテキストを50文字以内で指定してくださぃ。
既存装置の置換え................... 既存のTELNET装置を利用してその上にPDT印刷装置を作成するのかどうかを
指定します。
*YES:既存のTELNET装置を利用してPDT印刷装置を作成します。
WIN01という名前のTELNET印刷装置はプリンタ・セッションの
印刷装置として既に存在しているものと見なされます。
従って新たに印刷装置(*DEVD)は作成しません。
この例の場合では *YESを指定してください。
*NO: *NOと指定した場合はこれが初めての印刷装置の作成ですので
CRTDEVPRTコマンドによって印刷装置も作成されます。
(6) F5キーを押して再表示する
PDT印刷装置の作成に成功したのであれば WRKWINWTR 画面で「F5=最新表示」を押して
再表示させてください。
作成した印刷装置も WRKWINWTR の明細行に表示されます。
(7) F15キーを押して装置を*VARYONに戻しておく
「F15= 構成状況処理 (WRKCFGSTS)」を押して「1= 使用可能にする」を選択して
先ほど使用不可にしておいた装置を使用可能に戻します。
(8) スプールを確認して凍結にしておく
作成したPDT印刷装置に対してオプション「6=印刷待ち行列」を選択すると
印刷待ち行列(OUTQ)の内容を表示させることができます。
初めて印刷をテストする場合はすべてのスプールを SAV または HLD にして
印刷されないようにしておいてください。
(9) 印刷をスタートする
それではWRKWINWTRで印刷を開始させます。
「11=WINライターの開始」を選択して印刷をスタートさせてください。
WINDOWS ライターの開始 (STRWINWTR)
選択項目を入力して,実行キーを押してください。
仮想印刷装置 . . . . . . . . . > WIN01 リストは F4 または *ALL
出力待ち行列 . . . . . . . . . *DEV 名前 , *DEV
ライブラリー . . . . . . . . 名前 , *LIBL, *CURLIB
印刷 MSG 待ち行列 . . . . . . *DEVD 名前 , *DEVD, *REQUESTER
ライブラリー . . . . . . . . 名前 , *LIBL, *CURLIB
出力オプション . . . . . . . . *PRINT *PRINT, *IFS, *PDF, *DEBUG
終り
F3= 終了 F4= プロンプト F5= 最新表示 F12= 取消し
F13= この画面の使用法
(10) 印刷状態を確認する
WRKWINWTRの画面で「F13=活動状況」を押すと次のように活動状況が表示されます。
活動ジョブの処理
19/11/21
CPU %: .5 経過時間 : 00:02:51 活動ジョブ数 : 222
オプションを入力して,実行キーを押してください。
2= 変更 3= 保留 4= 終了 5= 処理 6= 解放 7=メッセージ の表示
8=スプール・ファイル の処理 13= 切断 ...
現行
OPT サブシステム/ジョブ ユーザー タイプ CPU % 機能 状況
__ QSPL QSYS SBS .0 DEQW
__ IPPDEV QSPLJOB WTR .0 EVTW
__ LPRPRT QSPLJOB WTR .0 EVTW
__ RICOHLPR QSPLJOB WTR .0 EVTW
__ WIN01 QSPLJOB WTR .0 EVTW
__ WINDOWS QSYS SBS .0 DEQW
__ WIN01 QTR BCH .0 PGM-WINDWTR TIMW
続く ...
パラメーターまたはコマンド
===>__________________________________________________________________________
F3= 終了 F5= 最新表示 F7= 検索 F10= 統計の再始動
F11= 経過 データ の表示 F12= 取り消し F23=オプション 続き F24= キーの続き
この活動状況はサブ・システム: QSPL とサブ・システム: WINDOWSの配下にある
活動中のジョブの状況を示しています。
QSPL のジョブは印刷ジョブです。
この印刷ジョブと対話するTELNET印刷ジョブはプリンタ・セッションの場合は
Windows PC上で活動していますがWINDOWSライターのTELNET印刷ショブは
サブ・システム WINDOWSの配下で活動します。
したがってWINDOWSライターによるジョブはWINDOWS配下に現れますが
プリンタ・セッションの場合は QSPLの配下のみのジョブとなります。
この活動状況で今、開始を投入した印刷ジョブが QSPLと WINDOWSの両方に
現れているかを確認してください。
(11)印刷するスプールを解放する
再び「6=印刷待ち行列」を選択してどれすひとつだけのスプールを「6=解放」によって
リリースして印刷するよう指示します。
リリースが終わったらWRKWINWTRの画面に戻ってください。
(12)メッセージに応答する
WRKWINWTRの状況が MSGW(赤字)になっている場合はメッセージ待ち状態であることを
示しています。
「7=メッセージの表示」でメッセージに応答すると状況は WTR(赤字)の印刷中を
経て DEQW(赤字)に戻ります。
DEQW(赤字)はTELNETから送られてくるデータを待機中であることを意味しています。
(13)プリンタの印刷出力を確認する。
プリンタのところに行って印刷された出力結果の用紙を確認してください。
--- これでおわかりのように 装置の作成から開始して印刷するまでの操作のすべてを
WRKWINWTRコマンドの中だけですべて行っています。