EnterpriseServerを使えば、IBM i上にあるファイルを簡単にWeb公開することが出来ます。
ですが、Web公開したいファイルがIBM i上にはなく、
PCサーバーやNAS上にのみ存在することも少なくありません。
そんな場合でも、PCサーバーやNAS上のWeb公開したいファイルが入っているフォルダを「共有フォルダ」にしておけば、
EnterpriseServerを使ってWeb化することが出来ます。
本記事では、この、「共有フォルダ」を使ったPCサーバー/NASのWeb化の方法を、下記の順でご紹介します。
QNTC はすべての i5/OS と すべての Windows バージョンどうしで使えるわけではなく、
![]() | ![]() |
---|---|
Ver6.1 | Windows XP |
Ver7.1〜 | Windows XP, 7, 10 |
であることがわかっています。
詳しくは IBM SWMA までお問い合わせください。
「共有フォルダ」は、Windowsで使われている、ネットワーク越しにファイルの読み書きを行う仕組みですが、
IBM iは、OSの基本機能の一部として、この「共有フォルダ」にアクセスする仕組みを持っています。
この仕組みを、QNTC (i5/OS NetClientファイルシステム)と呼びます。
QNTCは、基本的には、何も設定する必要はありません。
IFSの /QNTC ディレクトリを参照すると、
QNTCが、同じローカルネットワーク内にあるPCサーバーを自動でリストアップして、
その内容をディレクトリとして見せてくれます。
例えば、サーバー名SERVER、共有名SHAREである共有フォルダの中身は、以下のパスでアクセスすることが出来ます。
/QNTC/SERVER/SHARE
下の画像は、WRKLNKコマンドで、/QNTC/192.168.1.94というディレクトリを参照したところです。
サーバー192.168.1.94の中にある、二つの共有フォルダimagesとtempが見えています。
このディレクトリは、QNTCが自動で作成してくれるはずですが、
何らかの理由で自動リストアップが働かなかった場合でも、
手動でディレクトリを作成することで、共有フォルダにアクセスすることが出来るようになります。
例えば、
CRTDIR DIR('/QNTC/192.168.1.94')
を実行することで、IPアドレス192.168.1.94のマシンの
共有フォルダにアクセスできるようになります。
なお、共有フォルダへのアクセスは、IBM iにサインオンしている
ユーザープロファイルのプロファイル名及びパスワードで行われますので、
予めPCサーバー側に、IBM iのユーザープロファイル名/パスワードと
同じアカウントを作っておく必要があります。
QNTCでは、IFSの「/QNTC/PCサーバー名」というディレクトリを参照することで、
PCサーバー/NAS上の共有フォルダにアクセスできますので、
AlaskaのPASS指定に /QNTC/PCサーバー名 ディレクトリを指定することで、
PCサーバー上のファイルをAlaskaで読み取り、Web公開できるようになります。
QNTCとALASKAを併用した場合の動作は、以下のようになります。
QNTCにより、IFSの一部として共有フォルダを参照できますので、
Alaskaの設定ファイルにてそのディレクトリにPassを設定すれば、共有フォルダをWeb化出来ます。
MAP /IMAGES/* /QNTC/M92P-2/TEST/IMAGES/*
Pass /QNTC/M92P-2/TEST/IMAGES/*
上記の例では、
PCサーバー名 | M92P-2 |
---|---|
共有名 | TEST |
ディレクトリ | \IMAGES |
の中の画像を、Webに公開しています。
更に、MAPによって、このディレクトリに/IMAGESという別名を与えています。
QNTCを使った共有フォルダへのアクセスは、ジョブの現行ユーザー名/パスワードによって行われますので、
PCサーバー/NAS上に、IBM iのユーザー・プロファイルと同じユーザー名/パスワードの
ユーザーアカウントを作成しておく必要があります。
ユーザー・プロファイルの設定について、詳しくは、お問い合わせより弊社までお問い合わせ下さい。